2021.08.04
2021年7月に新規開業した「函館湯の川温泉 海と灯(以下、海と灯)」。
開湯から500年以上の歴史がある湯の川温泉といえば老舗大型旅館の多さが特徴ですが、ホテルが新規開業するのは久方ぶりのこと。
「和」と「食」にこだわって大浴場や客室、そしてサービスが考案されたとの事で、この真新しいホテルに伺う前からワクワクが止まりませんでした。
海と灯は、湯の川温泉の目抜き通りでもある漁火通沿い、函館熱帯植物園バス停からすぐの函館空港に近いエリアにあります。
ホテルのロビーは吹き抜けになっていてとても開放的。ロビーを囲む壁の上部は組子細工が美しい障子のような設えで、透けて入ってくる自然光がとても穏やか。
ホテルに一歩足を踏み入れた途端、和の落ち着きと上質な空間に魅了されます。
ロビー脇にある階段下にはウェルカムドリンク&山丹服コーナー。
山丹服は北海道に伝わる伝統文様をモチーフにしていて、色は4色あります。館内着のうえから羽織って着るもので、子ども用の山丹服もありました。
ガラス戸の向こう側にはホテルを囲むように日本庭園。湯の川の老舗和菓子屋「銀月」の焼き団子も振舞われています。
さてチェックインを済ませ、楽しみの1つでもあるお部屋へ。
今回はファミリールームに宿泊。ファミリールームは海と灯の中では2番目に広いお部屋。窓際の団欒スペースが特徴です。
お部屋の入口部分はかなりゆとりがあって、独立洗面台やコートハンガーもあります。部屋に戻ってすぐ手洗いができ、寒い時期は分厚いアウターも入口近くで脱ぎ着ができていいですね。
一番いいと思ったのは、入口からお部屋まではフルフラットの造り。
居空間は靴を脱いで過ごす仕様なのでリラックスできますし、小さなお子様連れの方はなおさらですよね。キャスター付きの荷物も持ち運びが簡単なのもいい♪
このご時世手洗いが入口すぐにあるのも安心ですよね。
お部屋の居空間に足を踏み入れると、手前にベッドスペース、奥の窓辺にソファとテーブルの団欒スペースがあります。ちょっとおやつを食べたり、少し調べものをしたり、女性の方はお化粧をしたり、この団欒スペースかなり使い勝手がいいのはもちろんですが、高級ホテルならではゆとりを感じられるスペース。
大きな窓の向こうに函館の海。海上の靄の向こうに見え隠れするのは青森。もう少し右手には函館山。あぁ函館にいるんだなぁとちょっと感動しました。
その他のお部屋も、大きな窓とそこから見える景色が素敵でした。
海と灯といえば温泉大浴場がお宿の自慢なのですが、お部屋の内風呂も充実。
ダブルのお部屋以外は全てバス・トイレセパレート、お風呂の洗い場もかなりゆったり。お部屋の水回りもかなりしっかりした造りでした。
お部屋のいたる所には水色の小さなシールが、主に扉など手に触れる部分に貼られています。
これは感染症対策の試みの1つ。消毒した場所に分かりやすくシールを貼っているのです。ウィルスという見えない敵におびえて旅から遠のいていた人もいらっしゃると思いますが、これなら安心。
他のお部屋も見せていただいたので、簡単にご紹介します。
ジュニアスイートルームは、デイベッドとビューバスが特徴的なお部屋。
デイベッドでゆっくりとリラックスタイム。
ホテルの部屋から出ずともホテルバカンスを楽しめる充実のお部屋でした。
デスクもあって、
さて次は一番多いお部屋タイプ2種。
スーペリアツインと
スタンダードツイン。スタンダードツインは2名まで、スーペリアツインは3名までとお部屋の広さに関連して定員数が異なりますが、見た感じだと窓辺が椅子なのかソファなのかの違い位で、他は遜色ありませんでした。
スタンダードダブルは、お部屋こそコンパクトですが、他の客室同様機能的で、気軽に温泉に泊まれるお部屋です。
上記以外にユニバーサルルームがあります。
少しお部屋で寛いだら、さっそく最上階12階の温泉大浴場へ。館内着に着替えてGO!
大浴場にはお部屋にあるタオル類を持っていきます。専用のバッグのほか、かわいい和柄の巾着は下着など入れるようにと用意されたもの。
大浴場は大きな内湯が1つと、外湯が3つ。まずは外湯の一番大きな湯船「古の無限海灯露天風呂」へ。
視界を遮る柵もなく、最上階の露天風呂だけあって海のパノラマ度合いが抜群です。※一番外側は幅の広い水盤があって安全が確保されています。また女湯には外湯巡り用のバスタオルが浴室内に用意されています。
お湯に身をグッと沈めて目線を下げると、視界が真っ青な海と空でいっぱいに!
夜0時頃、あたりが真っ暗になった頃にもお風呂に入りましたが、その時は波の音が聞こえて余計に海が近く感じました。
ここでやってみたいのが月見酒。大浴場の目の前にある湯あがりラウンジで月見酒セット(日本酒1合、オリジナルのお銚子、枡、木桶)が1セット¥1,200販売されていて、浴室への持ち込みが出来るんです。露天風呂で海風にあたりながらクイっと一杯。日本人でもなかなかやったことが無い、とっても日本っぽい体験です。※仕入れ状況により銘柄は変更の場合がございます。画像はイメージです。
外湯の奥まった場所には畳湯と壺湯があります。壺湯は大浴場で唯一の源泉かけ流し。湯の川温泉らしいあっつあつの源泉を楽しみたいなら壺湯です。慣れれば肩まで浸かれるかなとも思ったのですが、片足3秒くらいが個人的限界でした。
早々に壺湯をあきらめて、隣接する畳湯へ。温泉に濡れた畳は柔らかく、初めての“足触り“。ふわっと香る畳の匂いに癒しを感じるのは、日本人の性でしょうか。
昼間に夜に、思う存分温泉を楽しみました!大浴場はアメニティも充実していて、手ぶらで来ても大丈夫です。
温泉の後は湯あがりラウンジでクールダウン。湯あがりラウンジの景色も見事で、函館の山がとてもキレイです。函館空港に向けて降下している飛行機も見れました。
湯あがりラウンジでは前出の月見酒セットと瓶の牛乳が販売されています。月見酒セットで飲めるお酒は、地元箱館酒造の郷宝。飲みはじめは細かい刺激があり、そのあと優しい旨みがふわっと広がってスッとひく表情豊かな地酒。冷やはもちろん、お食事にも合いそうな日本酒でした。瓶牛乳はこれも地元山川牧場のもので、乳成分の粒が瓶に残ります。牛乳の風味は強いのに味はあっさりしていて、市販の牛乳とはひと味もふた味も違う!
大浴場はオーシャンビューですが、ラウンジは市街地・山ビュー。これが期待以上に心惹かれる景色で、雄大な山それに夜は夜景がとってもきれいでしたよ。
大浴場には貸切露天風呂も2カ所あって、1時間1室¥1,100で利用ができます。
温泉からあがって少しのんびりしてからはいよいよ夕ご飯のバイキング♪
朝食とディナータイムに営業するレストランはホテル2階にあります。
入口から席へと続く通路を挟むように料理がズラリ、その向こう側ではスタッフの方々が料理を仕上げていて、出来たものからお皿に追加しています。
海鮮の網焼き、牛肉・豚肉・野菜のグリル、その先は寿司と刺身のコーナーがドーンと待ち構えています。かなりの大きさの海鮮コーナー、ここだけで小さな市場のよう!
お盆をゲットしたら、1回戦目の構成を考えながらさらに奥を偵察。
海鮮コーナーのその奥は、珍味やお漬物の小鉢に温かいお料理が赤いお鍋に入れられて並んでます。麺や白米に、サラダなど野菜をメインとしたテーブルもひと島。
最後はドリンクとデザートですが、種類が多くてかなり充実しています。
今までそれなりの回数ホテルのバイキングいただいてきましたが、これはかなり豪華!目の前で仕上げてくれて出来立てを食べられるのもいいですね。
料理の材料は北海道・道南エリアのものを中心に仕入れているそうで、いつも同じものが並ぶとはかぎりません。この日はボタン海老が最高に美味しかったです。海鮮丼をもう1杯に、最後は蟹足と刺身で海鮮を楽しみつくしました。
その他高温のオーブンで焼き上げられた肉は甘いし、野菜コーナーのトマトは味が濃い!
蟹身のグラタン、コーンコロッケ、それにデザートは2回おかわり。
ショートケーキは甘さが絶妙で美味しかった~。食後は地元ロースターのコーヒーで〆!
今こうやって書き出してみると大食い過ぎて怖い位ですが、バイキングは旅の醍醐味。朝のバイキングを楽しみにしながら眠りにつきました。
さて、2日目もバイキングからスタート。夕食と構成は同じですが、メニューは変わっています。私はというと、飽きもせず海鮮一直線でまぐろに鰤、ひらめ、サバ、ホッキ貝などを石狩鍋と一緒にいただきました。朝ならではの1品はジューシーでブリブリのウィンナー。これは個人的には必食レベル。
だし巻き卵、納豆、煮物など定番の朝食メニュー、それにご飯のお供の数も充実していました。
また朝食ですがデザートも夕食なみの品数が並んでいて、ちょうどいいポーションの瓶スイーツの誘惑に完敗。
瓶スイーツの他にケーキ類も種類豊富に並んでいて、朝食とは思えない充実ぶりでした。
あぁやっぱり函館のホテルはバイキングだよな!そんな風に思える夕食・朝食バイキング。
海鮮の豪華さ、充実度はかなりのものなので、きっと旅のメインイベントの1つになりますよ!
チェックアウト前に、売店にも立ち寄ってみました。売店入口ではプチ朝市を開催中。色の濃い、立派なお野菜やメロン。値段も手ごろでお土産に良さそうです。
売店はこじんまりとはしていますが、お土産物や食べ物などツボを押さえた品揃え。特にドリンクの品ぞろえが充実していて、ご当地ドリンクはあまり見た事が無いようなものまでありましたよ。ご当地ドリンクをお土産にしてもいいかもしれません。
朝食後に立ち寄って、買ったものをパッキングしてからチェックアウトがいいかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか?海と灯、とくに露天風呂と夕食バイキングがとってもおすすめです。随所にこだわりが詰まった高級感がありますが、肩ひじ張らず寛げるお宿だと思います。ぜひ湯の川でご宿泊をお探しの方はご参考にしてみてください♪